11. アスクの企業再生の進め方

アスクメソッド

では、アスクではどのように企業再生を進めているか、を一部ご紹介させて頂きます。

ヒアリングによる実態の深掘り・問題分析

先ずはアスクのテンプレートに基づき、下記のようなヒアリング観点から企業経営の実態を深堀し、問題点分析を行います。

以下は、中堅製造業での一例です。

  1. 企業を取り巻く外部環境と企業経営
    • 事業活動(商品・サービス提供)や企業収益に対して、外部環境がどう影響していると思いますか?
    • これまで、どのような経営改善(注視している経営テーマ)に向けた取り組みをしてきましたか?
    • その経営改善の取り組みにおいて、何か阻害要因はありましたか?
    • 企業としての「将来のありたい姿」は、社内でどのように伝えられていますか?
    • 5~10年後の企業経営を考えた場合、最大の弱点になると考えられるものは何ですか?
    • 既にある企業の要素の中で、残したいと思うものは何ですか?(例:事業の固有の特色/コアコンピタンス)
  2. 既存の事業ドメイン(事業活動領域)の棚卸しと、現在/将来の事業ポートフォリオ評価
    • 事業のターゲット(市場セグメント)になっているのは、どんな市場・顧客ですか?
    • ターゲットとなっている顧客の潜在的なニーズや、実際の顧客の声は把握できていますか? 
    • その顧客の声やニーズを、どのような方法で新商品コンセプトや設計開発に反映させていますか?
    • どのような方法で、既存の商品/市場のライフサイクル(市場における商品の導入-成長から衰退の過程)を判断してますか?
    • 将来の事業ポートフォリオはどうありたいと考えていますか?
    • 将来、新しい市場や新しい技術になりうると思われる分野と、そのガイドライン(自社の戦略ベクトル)はどのように考えていますか?
  3. 2の事業ターゲット(市場セグメント)に向けて、商品・サービスを送り出すビジネスシステム(企業の業務活動を効率よく進めるためのシステム(=価値連鎖))の強さ
    • 既存のビジネスシステムは、効果的に機能していますか?
    • ビジネスシステムにボトルネックはありますか?あるとすれば、どこにあると思いますか?
    • ビジネスシステムに配置されている人員は、必要な能力・スキル構成を考えて最適かつバランスよく配置されていますか?
    • 顧客や取引先を含め、サプライチェーン全体を見た場合、情報やモノの流れはどこまでルール化(標準化)できていますか?
    • その情報やモノの流れは、可視化されていますか?一部可視化できている場合は、どの部分ですか?
    • 在庫回転率は、どの程度の管理精度(例えば、年12~24回転以上)ですか?
    • キャッシュツーキャッシュ(キャッシュコンバージョンサイクル:現金を投入した後、現金を回収できるまでの日数)は、何日以内ですか?
  4. 2の市場セグメントでの販売力
    • 商談プロセスや顧客関連データは、可視化できていますか? できている場合は、どういった情報またはデータですか?
    • 可視化できているプロセスやデータを、どのように活用していますか?
    • 「べテランの商談リーダー」「できる営業マン」は、何名いますか?
    • 営業スタッフは、多様性を考えてそろえていますか?
    • 営業スタッフは、顧客の競争優位を高めるソリューション提案ができていますか?
    • 商談のセールス・クロージングはうまくできてますか?
    • 競合企業や優れた企業で行っている施策や手法の情報は、提案や商談に生かされていますか?

以上は、アスク総研が実際に中堅製造業の経営者と幹部に行った、ヒアリング観点の一部です。

ヒアリングの後は、このように収集したご意見や事実関係などに基づき、アスクメソッドを活用して「経営改善による企業再生」に向けた取り組みを行います。

続く…