企業再生は、人・物・金・情報・時間といった有限の経営資源を如何に有効に活用して、最大の成果を上げるかが大切です。
なかでも「人」は、経験から学び、プロフェッショナルへと成長することで、企業の再生と成長に貢献する原動力になります。
アスク総研が企業全体の経営改善支援を行うのと同時に、社員(リーダー)にも経営改善のノウハウや方法論を学ぶ機会を提供する「教育と学習」支援(On the Job Learning)に力を入れているのは、この様な背景によるものです。
近い将来、内部のリーダー自身がこれら各種の経営ノウハウを駆使し、企業の経営改善をリードすることが主流の時代になってもおかしくないと考えています。
企業自らが「変わる力」を付けることなくして、「企業再生」や「永続的な真の変革」はあり得ないものとなるでしょう。
「経営改善による企業再生」の3つの経営テーマ
「経営改善による企業再生」に向けた事業経営の分析結果については、コラム11でご紹介しました。
その分析結果を踏まえた打ち手として、アスク総研では特に以下の3つの経営テーマで様々な取り組みを行なっております。
- まずは既存の事業ドメイン(既存の市場/製品での活動領域)で勝負する!
- 新規の事業ドメインの探索で将来の事業の柱へ!
- 常に長期的な視点でのブランド創発!
流れとしては、既存の事業ドメインを盤石なものとするために、まずは足元から見直していきます。
その後、既存の事業が再構築できたにもかかわらず企業業績が上がらないという場合に、新規の事業ドメインに打って出て、事業の柱とすべく各種施策を行います。
さらに将来の業績維持・向上を見据えて、ブランドを創発していく、という3つのテーマで企業再生を行います。
まずは、既存の事業ドメイン(既存の市場/製品での活動領域)で勝負する!
どういう形で企業再生を目指すにしても、既存の事業がぐらついていては勝負になりません。
アスクでは、既存の事業ドメインで「攻め」と「守り」に分類し、両軸から経営改善の支援を行っています。
「攻め」の領域
商材が法人向け(BtoB)の場合、チームとしてのソリューション営業「力」と、営業スタッフの商談力を鍛えることで「攻め」る力を強化します。これにより、新規の顧客企業を増やし、成約率を高めることを狙います。
顧客によっては、他部門のスタッフとチームを組んで戦うことも必要です。
消費者向け商材の営業(BtoC)の場合は、市場のシェア拡大を狙います。
「守り」の領域
「守り」としては、市場や顧客に向けた「ビジネスシステム」を強化することを考えます。
「ビジネスシステム」とは、メーカーで言えば素材の購入→エンドユーザによる消費までを、一連の流れとしてとらえる概念です。
この中では、特に以下のものがカギとなります。
- 商品・サービスを市場に送り込むプロセスチェーンの連携
→プロセス連携、マインド連携、データ連携 - スピード(時間)
- コスト
経営管理システム
さらにもうひとつ重要なのが、「経営管理システム」です。
これは企業活動の収益性をマネジメントするために必要なもので、例えば以下のようなものです。
- 中期経営計画
- 予算管理
- 管理会計システム
- 業績評価システム
- 原価計算システム
これらを管理する「経営管理システム」を活かしたマネジメントの目的と、その在り方についても精査してみる必要があります。
ちなみにこの場合の精査とは、
- 各々のシステムは、そもそも誰のためのシステムなのか?(誰にとってメリットか?)
- 何の情報を何に変える(繋げる)システムなのか?
- それはどういう意味(価値)があるか?(もしなければ何が起きるのか?)
- どのような環境制約条件があるのか?
など、関係者間で共通の「意味づけ」をしながら、有用性・有効性を検証する作業です。
この作業を通して、仕事のやり方やマネジメントシステムへの取り組み方を見直したり、既存システムの改修・刷新の検討も行います。
これら全体の流れを通じて、「既存の事業ドメイン」を理想的な姿に近づけるのが、アスクの企業再生の第一歩です。
それでも業績が上がらない?
既存の事業ドメインの立て直しは完了したが、いまいち業績があがってこない。
このような時は、経営テーマの2番目「新規の事業ドメインの探索で将来の事業の柱へ!」に挑まなければなりません。
さらに、経営改善による企業再生とは、企業がゴーイング・コンサーンとして、安定した経営基盤を再構築し、企業が持続的に生存し続けることが目標です。
このためには、経営テーマの3番目「常に長期的な視点でのブランド創発!」への取り組みも必要となってくるでしょう。
少し長くなりましたので、これら経営テーマの2番目と3番目は、次回以降にて・・・。