買い替え需要が停滞し、最近は新製品も出せていない

お客様からのご相談

消費財の製造販売をしていますが、ここのところお客様の買い替え需要が減少している状況です。こんな状況になるとは思っていなかったので、新製品もしばらく出せていません。

 

さらに、ここ1年以上顕在的な顧客の声だけでなく潜在的な顧客の声も吸い上げていませんでした。しかも、お客様の声やニーズを吸い上げたつもりになっていたときも、実はそれを測定するモノサシが旧態依然のままだった、こともいまさらながら反省しています。

他社で実際にあった事例

以前似たようなお悩みをもっていたクライアントで、「製品やサービスの品質・機能は顧客によって決められる」という買い手視点の認識が薄く、売り手(技術者)視点の意識が根強かった、というケースがありました。

提供する商品やサービスに対して「お客様は誰か」「お客様が本当に求めているものは何か」を知ることは非常に重要です。

 


このようなケースでまず気を付けなければいけないのは、既存の重点顧客に焦点を当てすぎると未来の顧客を見極める機会を失うことにもなる、ということです。

顧客の括り方は複雑化し、ニーズも非連続で多様化します。このため既存顧客にご満足いただくだけでなく、将来の顧客に対しても新たな価値を創造し続けることが求められます。

つまり、ターゲットとなる顧客とその顧客が持っているであろうニーズの仮説を立て、その仮説に基づいて試作品(プロトタイプ)を制作し、仮説検証(ユーザーテストやテストマーケティング)を短期的に繰り返し、得られたデータをもとに新たな戦略の見直しや製品・サービスのブラッシュアップを行っていく。これを一度きりでなく、この手順を速く繰り返すことで顧客満足を充たし、顧客への提供価値を高めていくことができるのです。

そこで、「歩きながら考える」アクションラーニング型モデルを推奨します。

アクションラーニングとは、現実の問題に対処し、その解決策を立案・実施していく過程で生じる実際の行動とそのリフレクション(振り返りと教訓)を通じて、個人、そしてグループ・組織の学習を促進する手法です。

アクションラーニングと比べられるのが、PDCAサイクルとPlan-Do-Seeです。

これらは、リフレクションを含まないという意味でアクションラーニングとは大きく異なります。言い換えると、PDCAサイクルはある種のQCサークル活動ということができ、現場で改善できることを物理的に改善していくという考え方に近いでしょう。

また、Plan-Do-Seeは組織の目標管理・統制サイクルであり、活動の成果は計画された目標に対する実績との比較において客観的な評価とフィードバックが行われます。仕事の意味(本質)を問い直したり、経験から学習を促すようなマネジメントのプロセスではありません。

一方、アクションラーニングのプロセスには、リフレクションが含まれます。

つまり、行動しながら、または行動の後で深く「振り返り」や「仮説の問い直し」を繰り返すことによって、自らの持論・ノウハウを問い直す行為が行われます。このようなリフレクションを行うことで教訓を引き出し、新たなものの見方やノウハウを自分のものにすることができ、新たなステップ(課題)への取り組みに繋げることもできるようになります。

このプロセスを社内で効果的に推進するためには、まずは顧客ニーズの収集方法(5W1H)から製品企画商品化プロセスへの反映方法までの自社オリジナルなプロセスモデルを構築し、この上で上記のアクションラーニング・サイクルを何度も何度も回していくことが重要です。

現在このような自社プロセスモデルを持たない企業は、例えば、ライバル企業のベンチマーク調査を行い、これを参考に自社オリジナルに構築し直すことも有効だと思います。

 

ポイント

「歩きながら考える」アクションラーニング型モデルは、実践の場で成功と失敗の学びによる反復修正作業を繰り返しながら、自社独自のベストプラクティスに仕上げていくことができます。

会社自らが現場の実践経験から学習する能力と意欲こそが「競争優位性の源泉」といわれています。

買い替え需要が停滞し、その中で新製品も出せていないのは、お客様の声やニーズを適切に吸い上げることができていなかったことが原因かもしれません。もし「お客様の声にはいつも耳を傾けています」にも関わらずそうであるならば、お客様の声を吸い上げた後に歩きながら考えることをせず、「時間を掛けて考えた後で一気に走り出そう」と思っているうちに顧客ニーズとのタイムラグが発生してしまったのかもしれません。

いずれにしても現代の世の中のように、需要の変動が激しくかつ不規則で、顧客ニーズが多様化した現代では、このような「歩きながら考える」アプローチが適切だろうと考えます。

 

アスク総研では競合企業(同業他社)の顧客ニーズ収集方法から商品化プロセス反映までのベンチマーク調査をおこないます。またこの調査結果を参考に、会社の身の丈に合った最適なベストプラクティス(「歩きながら考える」アクションラーニング型モデル)をご提案し一緒に構築してまいります。

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