お客様からのご相談

VUCAの時代にあり、会社として進むべき方向が不透明です。
しかも事業衰退リスクがあるのかないのか、あるとしたらその原因はなにか、リスクの結果として何が生じるのか等々、様々なことがはっきりしない状況の中で会社として何をすべきか分かりません。
他社で実際にあった事例
不透明な事業環境要因が多く5年10年後の予測ができません。そもそも環境がどうなるのか読めないので、無理に予測すること自体よくありません。
しかもコロナ禍で企業ブランドや製品ブランドが毀損し、事業継承が困難になってきた。今のうちに会社の体力・知力を蓄えておきたいが、これから何を学び、何を強化すればよいか分からない状況にありました。
先が読めない。やるべきことに正解はない。
今後はこれ(「何も見えないし分からない」現実)を前提としたマネジメントへの展開をすることです。
これまでは明確な目標を設定し、目標達成のための手段を体系的に整理し、これら手段を計画的に実行していくことで会社組織はうまく回ってきました。しかし、非連続で先行き不透明な時代には、過去の延長線上に正しい答えなど存在しないと考えるべきです。
まずは、前提条件を疑い、制約条件を取っ払いうところから話し合いを始めることが大切です。
マーケットのデータも然り、これは過去の情報であり、他人も同じデータを見ていることから、このデータからの判断は差別化にはつながりません。データから何を読み解くかというデータありきのマネジメントは本来見るものが見えなくなるリスクもあり、VUCAの時代には相応しくありません。
ポイント
戦略創造においては、先にデータや前提を共有すると、同じ思考の枠にはまりこれが仮定となり、斬新なアイデアが生まれにくくなります。まずは、世の中で何が起きているのか、この変化は我々のビジネスに何をもたらすかをデータとしてではなく、俯瞰的に見てみること。
例えば、今感じていること、モヤモヤ感、ムズムズ感を率直に話し合ってみるのも新たな刺激や現実からの突破口になるかもしれません。
次にこれをデータによって分析し、このファクトを一体これは「なぜなのか(Why)」、「だから何(So-what)」と問い続けて深堀することでやるべきことが見えてくるはずです。さらに、非連続な環境下では、刻々と変わる状況の変化に波乗りするように試行錯誤を繰り返し(つまり歩きながら考え)、自らの成功失敗の経験から学び続ける事が大切となります。
立ち止まって考えている間に環境が変わってしまい、実行する時には全く別の環境になってしまうことも起こり得ます。立ち止まって考えている時間こそが大きなリスクになるのです。むしろ、世の中で起きている変化を敏感に感じ取り、迅速に手を打って、その結果を素早く組織にフィードバックするほうが賢明と考えられます。すなわち「学習するスピード」こそが競争力の源泉に他なりません。この意味において、下記の図にもあるように、これまでの、企業ビジョン→経営戦略→経営計画→経営管理→日常業務といったピラミッド型の階層構造の下で、定例的に情報指示と報告が繰り返されてきた伝統的なマネジメントシステム(目標を達成するために組織管理の制度や仕組み)は、「学習スピード」において明らかに限界がきていると言わざるを得ません。
アクションがあれば結果が出るのも早いはず。現在は戦略はスピードであり、意図的な分析結果ではなくスピーディな実行プロセスから創発(または修正)するものであります。これからは、走りながら学習する組織作り・プロセス連携作りが競争優位性の鍵になると考えています。
会社経営幹部が通常描いている前提・暗黙の仮定を取っ払い、様々な立場で違った経験をしてきた社員たちと一緒に仮説思考にもとづくSAA(戦略仮定分析)をリードします。従来は分析して戦略案を策定するものですが、この逆のアプローチです。
まず、参加者一人一人から会社の前提も制約もない、これぞ戦略案というアイデアを提示いただきます。全員から様々な戦略案が出揃ったところで各人の戦略案の擦り合わせを行います。
次に各人から提示した戦略案の背景となる仮定に妥当性があるかどうかをデータによって分析します。ここで見解を統一した戦略案とその前提としている仮定をもとに、成功・失敗の経験学習サイクルを回しながら事業再生の道を探求していきます。
このように戦略案の探索と試行錯誤学習を続けていくことが次世代の企業の強さと競争力の源泉になるはずです。
