後継者の育成プロセスどころか、その前に候補者不在で悩んでいます

お客様からのご相談

将来、一人娘に事業承継をさせたいが本人にその意志はなく、社内従業員にも後継者に相応しい人材が存在しない状況です。

 

外部から後継者候補を確保するのと最短5年間で社内従業員を後継者として育成するのと、どちらのメリットが大きいのだろうか。

 

また、後継者を育成するには、どのような取り組みをすればよいのでしょうか。

他社で実際にあった事例

子供に事業承継をさせる目的で、会社の各部門のローテーションで会社の業務を経験させ、他の社員に後継者として認知させたあと、経営への参画で経営センス・資質などを育成してきました。

しかし、経営者になった後、自分の周りに外部から様々な専門分野のブレ-ンを採用し、自らが現場に足を運ぶこともなくなり社長一極体制へと移っていったようです。先代の時代に共に戦った社員の声は聞き入れず、自分のブレーンのみを頼りに物事を決めるようになったようです。

その後、経営理念を信じ長年貢献してきた幹部の方々が次々と自主退職し、主力人材が大きく入れ替わり伝統的な企業風土も大きく変わってしまいました。

経営理念を信じ、企業のブランドパワーをしっかり引継ぎながら持続的な経営を貫く保守スタイルであるべきなのか、あるいは対照的に上記の事例のように意図的に人財の入替も含め、ダイナミックな変革を促す革新スタイルが良いのか。後継者育成は会社の存続に影響を及ぼす重要な役割だけに、後継者育成プロセスの方針と進め方には注意を払う必要があります。

出来れば、経営者は会社を経営するノウハウを指南しつつ、時代背景を読みながら将来ビジョンへの向き合い方を後継者と共有することで、理想的な経営スタイルはどうあるべきかを探求してほしいものです。

 


後継者育成プロセスを下記の方法で大分類しています。

  1. 社内の各部門ローテーションで仕事の経験学習
  2. 企業経営に必要な知識(財務、企業法務、人事・労務、GRCなど)の教育
  3. マネジメントの経営手法と思考技術を体得するための協働ワークショップ
  4. 企業経営ノウハウの弱点補強のための社外セミナー・講習会への参加
  5. 会社の経営へ参加することで、経営センス、使命感、リーダーシップの育成
  6. 現経営者との対話・相互議論による環境潮流の理解、企業ビジョンとブランドコンセプトの創造、経営スタイルのあり方について指南

※GRCとは、ガバナンス、リスク、コンプライアンスの略で、経営の意思決定効率を高めるための統合的リスク管理手法です。

 

ポイント

「そんなことは知っている」と思った途端に学びは止まります。

VUCAの事業環境の下では、「持続性のある学び」と「変化を創るリーダー」が企業の未来を変えるのです。このためには経営者の役割として、後継者候補の素質と学びの姿勢を見極めながら最適な育成計画の作成と観察が必要になります。

また、もう1点重要なことは、内外関係者に効果的に後継者を認めさせるためにも、後継者育成と並行して4~6名の後継者参謀(ブレーン)の育成を進めることであります。

 

アスクとして、後継者育成計画の作成(WBSへの落とし込み)と育成プロセスの中で「マネジメントの経営手法と思考技術を体得するための協働ワークショップ」にセッションリーダーとして介入します。

テーマは貴社の直近の中期経営課題を取り上げ一緒に課題解決への道筋を探ります。ここで、セッションリーダーの役割をアスクから貴社後継者へランニングチェンジするように導き、経営手法や思考技術を実践的に学んで頂きます。また、上記のその他ソリューション提案の内容についても、最適な方法でご支援いたします。

※WBS(Work Breakdown Structure) とは、作業内容を目的-手段の関係で体系的(階層構造的)に整理し、タスク漏れやスコープ管理、スケジュール管理を行う手法です。

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